ナンバーワンに越したことはありませんが、ベストスリーに入れば尊敬の目で見られるようです。各分野の代表を三つ並べて「三大○○」とよく言います。全然知らないものでも「三大○○の一つ」などと聞くと、何だかありがたく思えてくるから不思議です。読者の興味を引くためか、読売新聞でも多用されてきました。ヨミダス歴史館で見てみましょう。
　明治・大正・昭和を指定し、語尾を＊（アスタリスク）でぼかした「三大＊　ＯＲ　3大＊」でキーワード検索すると、2300件以上ヒットします。「日本三大＊　ＯＲ　日本3大＊」にしたら、一挙に約100件まで絞れました。記事に目を通していくと祭り関連が目立ちます。「日本三大祭」のみならず「日本三大美祭」「日本三大奇祭」「日本三大火祭」「日本三大どぶろく祭」「日本三大曳山（ひきやま）祭」……これだけあればどれかに入れそう、なんて言ったら怒られますか。
　記事に登場する「日本三大祭」を書き出すと、京都の祇園祭と葵祭、大阪の天神祭と住吉祭、東京の山王祭と神田祭、岐阜の高山祭、長崎の長崎くんち、埼玉の秩父祭と、少なくとも九つの三大祭を見つけました。9と3では勘定が合いませんが、いずれも各地域で大切に守られてきた伝統行事。日本を代表する祭りであることは間違いありません。昨年は新型コロナウイルスの影響で、全国的に祭りの中止や縮小が多くて残念でした。（む）