読売新聞

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日本と歴史的なつながりも深く、親日家も多い台湾。南国らしいギラギラした太陽が照り付ける中、このほど台湾の図書館などを回ってきました。そのいくつかを紹介します。

□ 中央研究院

台湾で最高の学術研究機関「中央研究院」は台北市の南部にあり、川も流れる広大な敷地内に、台湾史や生命科学など専門分野ごとに計31の研究所などが点在しています。図書館・室も19もあり、全館を回るのは大変。汗をかきかき、何とか数館を訪ねました。

同院でもっとも大きい図書館が、人文社会科学連合図書館。台湾史、社会学、言語学、政治学、法律学の5つの研究所への学術的な支援が主な目的で、内外の図書や資料約24万冊を収蔵しています。

11階建ての建物の1、2階が図書館で、1階は受付とアジア系言語の図書が中心。利用者は主に同院や各大学などの研究者で、訪問時は人もまばら。中に入るとひんやりし、これぞ図書館という感じで書架がズラリとならんでいました。

日本の東大で文学博士号を取った台湾史研究所の鐘淑敏・副所長にお話を聞くと、「私たちの研究所は、文化や環境、植民地史などのテーマごとに研究しており、この図書館には日本語の文献はもちろん、各研究分野に関する貴重な資料や書籍がたくさん集められています」と滑らかな日本語で紹介してくれました。

続いて民族学研究所図書館などを駆け足で訪問。ペットボトルの水も底をついたところで同院を後にしました。でも、正門まで歩いて5分以上かかり、また汗だくに――。

□ 台湾図書館

台湾でもっとも古い歴史を持つ公共図書館で、前身は日本の統治時代の大正3年(1914年)に設立された「台湾総督府図書館」。100年余りの歴史を誇りますが、現在は7階建ての近代的な建物です。台北市の隣の新北市にあり、MRT(地下鉄)南勢角線の永安市場駅から歩いてすぐ。

注目は同館5、6階にある「台湾学研究センター」。台湾総督府時代の行政資料や地図をはじめ、文学や芸術、産業分野など多岐にわたる貴重で膨大な史料を所蔵しています(5階が主に中国語の資料、6階が日本語や英語などの資料)。その量は台湾随一でデータベースも完備し、研究者にとっては必見とのことでした。

私も、明治時代の小さな県の官報や当時作られた詳細な地図を見てびっくり。同センターを案内してくれた司書の張谷源さんは、「日本人でもパスポートなどの身分証明書を持参して閲覧証を作れば、誰でも利用できますよ」とにこやかに話してくれました。

旅行で台北を訪れる方も、たまには観光コースからちょっと外れて、こうした形で昔の日本と出会ってみるのも面白いでしょう。足ツボマッサージとはまた違った意外な刺激を受けるかもしれません。何より、ここも涼しく静かです。

(続く)

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