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インタビュー 翻訳家

台湾 頼明珠(ライ・ミンジュウ)さん

作家・村上春樹の作品の中国語(繁体字)版翻訳者として、出身の台湾はもとより、中国やマレーシア、シンガポールなどの中華圏でも著名な頼さん。これまで村上作品のほとんどを翻訳・出版し、その数は40冊以上。中華圏に広がる「村上春樹ブーム」の“先導者”だ。

村上作品は「成長小説」

「ヨミダス歴史館は宝の山」と話す頼さん

――村上作品の楽しさ、面白さとは

今までの日本の作家と全然違う独特の文体にあります。奇想天外な比喩が面白く、簡単な言葉遣いなのですが、内容は深くて哲学的です。人生の知恵が感じられ、若い読者にとって村上作品は良き成長小説と言えます。一人称の「僕」で書かれていて、心の声が聞こえてくるようで共感しやすいですね。

――翻訳で心がけていることは

村上作品は、外来語をたくさん使っているだけではなく、語順と語感も英語的です。この英語的な日本語を、できるだけ英語的な中国語に訳したいと思っています。

ネット検索は信頼性がカギ

――ネット検索がない時代に翻訳で苦労された点は

いくら調べても出てこない言葉がたくさんありました。例えばイタリアやギリシャの料理の名前など、英語以外の日本の外来語は調べるのが大変でした。北欧や東欧の映画タイトルも、日本と台湾、あるいは香港で翻訳がそれぞれ違うので、調べるのに苦労しました。

――ネット検索が普及してからはどうですか

ずいぶん便利になりました。ネットで調べたら、大体すぐ結果が出てきます。ただ、その真偽は不確かなので、いろいろ比較して信ぴょう性の高い情報を選ぶことが重要です。

「宝の山」で人物を追う

頼さんが翻訳した村上春樹作品の中国語版(時報文化出版社刊)

――「ヨミダス歴史館」を使われた感想はいかがですか

「ヨミダス歴史館」は「宝の山」です。膨大な資料が詰まっていて、検索する際の分類の仕方も細かく設定できます。でも、逆に日本語の得意でない外国人にとっては、操作に習熟するまで少し時間がかかるかも知れませんね。

――「歴史館」のどんな点に興味がありますか

個人的にとくに興味を感じるのは、人物の検索についてです。ある人物や事件を調べるとき、新聞に掲載されているニュースが前提です。新聞に載っていないことを調べるのは大変です。時代の推移にしたがって、ある人物がどう変化して行ったかを知りたいとき、「歴史館」は大変役に立ちます。

――今後、「歴史館」をどう活用していきたいですか

この「宝の山」を上手に使いながら、小説の時代背景や作家についてもっと深く理解して、より正確で質の高い翻訳ができるよう利用して行きたいと思います。

おすすめは三毛の小説

――最後に、日本人にお薦めの台湾の本や好きな作家は

政治とは関係のない台湾の自然や文化、生活に関する本がいいですね。それと、私の好きな台湾の作家の一人に三毛(1943-91)がいます。彼女の小説で、サハラ砂漠での結婚生活を描いた《撒哈拉的故事》=邦題「サハラ物語」なんかお薦めします。

(2015年7月27日)

Profile プロフィル

ライ・ミンジュウ
翻訳家(1947年~)台湾・苗栗市出身

大学卒業後に広告会社に就職、コピーライターに。1975年から日本の千葉大学大学院に留学、村上春樹の作品を知る。「風の歌を聴け」(1992年、時報文化出版社)をはじめ、ほとんどの村上作品を翻訳。村上春樹以外にも、五木寛之や谷崎潤一郎などの翻訳を数多く手がける。

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