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レポート <教室を訪ねて>

米の補習授業校で日本の新聞を紹介

データベース部では2016年春の米国出張に合わせて、カリフォルニア州の「補習授業校」を訪問した。社会や経済の国際化に伴い、海外で暮らす日本人の子どもの数も増え続け、今や国外に長期滞在する義務教育段階にある日本人子女は8万人近くに上る。このうち北米には約30パーセントに当たる2万3千人余りが暮らしている。その半分以上が現地の学校に通いながら、週末や平日の放課後に日本語で授業を行う「補習授業校」でも勉強している。普段あまり日本語の新聞を読む機会のない子どもたちに「読売新聞」や「読売KODOMO新聞」、小中高校向け新聞記事データベース「スクールヨミダス」を紹介した。

□ 三育東西学園

ロサンゼルスの三育東西学園は、同市内に3か所ある校舎のうち、2か所で平日に週2回、1か所では日曜日に授業を行う補習授業校だ。児童・生徒総数は180人と比較的小規模だが、先生との深い関わりなど小規模校ならではのメリットが多くあるという。

データベース部員が訪問したローリングヒルズ校は、火曜、木曜に開校しており、生徒たちは、現地校の授業が3時頃に終わったのちに保護者に送られて登校してくる。「南カリフォルニアは教育熱心で、現地校の宿題も多いため、子どもたちは大変」と同校の吉岡美鈴校長が話してくれた。

授業開始前に小学3年生から6年生までの児童20人に「新聞ができるまで」について話をした。「家で新聞を取っている人は?」という問いに手を挙げたのは2、3人程度だったが、新聞記者が取材をして書いた記事が多くの人たちの手を経たのち工場で印刷されるまでを説明すると、熱心に耳を傾けてくれた。

見学をした小学5年生のクラスでは、4人の児童たちが真剣に新出漢字の書き取りをしていた。また、小学1年生20人のクラスを受け持つ、同校で教えて15年目というベテランの高森景子教諭は「素直で、曲がっている子がいない」と話してくれた。

吉岡校長は「子どもたちは一生懸命だし、学校を楽しんでいる」と言う。授業のほかにも、もちつき、端午の節句、七夕、お月見など日本の伝統行事を体験させる機会を設けている。

□ あさひ学園

同じくロサンゼルスの4か所の校舎に幼稚部から高等部までの約1,400人の子どもたちが通うあさひ学園は、世界で最大規模の補習授業校だ。平日は現地校として使われている校舎を借りて、土曜日に授業を行っている。3年後に開校50周年を迎える同校の卒業生には、バイリンガル・タレントとして有名な西田ひかるさんがいるほか、俳優の渡辺謙さん、千葉真一さんの子どもたちもここで学んだとのことだ。

小学2年生のクラスでは、先端がリンゴの形をした棒を手に話をする先生を、子どもたちが真剣なまなざして見つめていた。

同学園は1969年に南カリフォルニア日系企業協会によって設立され、当初はいずれ帰国する「駐在員子女の教育」を目的としていたが、永住保護者の子女が増えたのに伴い方針を転換。現在は広く「日本に帰国予定または将来日本で生活する子ども」を受け入れている。

同校事務局長の岩井英津子さんによると、近年は永住家族が増えただけでなく、10年単位で長期滞在する駐在員家族が増加した。こうした生活環境の変化は、補習授業校の教師たちにとっても新たな課題となっているようだ。たとえば、学校内では英語は話さない決まりだが、子どもたちは話し慣れた英語で会話をしがちで、岩井さんは「日本語力は永遠の課題」だと話す。同校の場合、週1回の42授業日で1年分の学習を終える。つまり通常の日本の学校の5倍のスピードで授業を進めなければならず、宿題もかなり多いとのことだ。

あさひ学園では日本国内で広く行われている標準学力テストをいち早く取り入れ、日本国内平均と同レベルの結果を残しているという。そうした先進的な取り組みを続け、現在はデジタル教育推進のためICT機器の導入を検討中とのことで、新聞記事データベース「スクールヨミダス」も子どもたちの日本語習得に役立ちそうだ。

□ 三育学院サンタクララ校

東西学園と同じく三育系列のサンタクララ校は、シリコンバレーの中心地サンノゼに学校を構える。1982年に児童2人でスタートしたが、現在では4歳児から中学生まで370人余りの子どもたちが通い、入学希望者の「ウェイティングリストがある」ほどの人気校とのことだ。

生徒たちは現地校の授業が終わったあと、月水または火木いずれかの週2回サンタクララ校に通い、小学部の児童でも3時40分から6時45分まで授業を受ける。かなりハードなスケジュールだが、同校の千葉学教頭によると、子どもたちはこうした忙しい日々を過ごす中で、自然に上手な時間管理能力を身に付けていくという。

他の補習授業校と同様、最大の難関は日本語習得だ。日本から来た子どもの場合は一般的にそれほど習得に困ることはないが、幼少時からおもに英語を使って生活している子どもの場合、日本語の語彙(ごい)を増やしていくのは容易ではないという。帰国後の進路は海外に暮らす子どもたちや親たちにとって大きな問題だが、千葉教頭は「米国に住んだからこそ身に付いたものを伸ばしてくれるような学校に進んでほしい」と考えている。

同校では「多読」を勧めており1日15分の読書の時間を設けているが、今後は本だけでなく新聞を読んでもらうことも検討したいとのことで、千葉教頭は「見聞を広めるため、日本語に触れるために、日常的に新聞を読む機会があればいい」と話してくれた。

(2016年7月27日)

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