虫めがね

昭和37年(1962年)1月4日~12月25日付 「[駅弁日本一周](連載)」

 デパートの駅弁大会に時々行くのですが、毎回あまりの混雑と熱気に圧倒されてしまいます。しかし、どうやら日本人の駅弁好きは最近始まったことではないようで、60年近く前の昭和37年、東京夕刊では1年間かけて全国の駅弁を紹介しています。筆者の出身である神奈川県を早速調べてみたところ、ありました、ありました(第26回)。やはり、おなじみ崎陽軒の「シウマイ弁当」(商品名)が。現在は駅弁としてだけでなく、デパートなどで買い、持ち帰りすることも多いこのお弁当、この頃から既に「旅客ばかりでなく、横浜から東京へ通勤する同僚にたのんで、昼食にシウマイ弁当をというファン」もかなりいたようです。当時の中身は「シューマイ3個のほかブリの照り焼き、タマゴ焼き、カマボコ、それにナラづけのとり合わせ」。もっとシューマイを増やしてほしいという要望もあったそうですが、崎陽軒は「もう少し食べたい気をおこさせるのが、味の秘けつ、つまりいつまでもかわいがっていただくコツ」と粋な回答をしています。同社ホームページの写真を見てみると、うれしいことに現在はシューマイが5個に! 「シウマイ弁当」、久しぶりに食べたくなってきました。歴史館ユーザーの皆さんも、ぜひ出身地の駅弁を探してみてください。「駅弁日本一周 連載」でキーワード検索を。(も)