虫めがね

「読者が選ぶ地域版10大ニュース」

 今年もだんだん押し詰まってきて残すところあとわずかになりました。読売新聞地域版では毎年、年末にその年にあった10大ニュースを読者から募り、発表しています。今年はその地域版10大ニュースが始まってちょうど70年。そこで、見出しやキーワードで検索ができる「昭和の地域版」のうち、東京を除く神奈川、千葉、埼玉、茨城を対象に「10大ニュース」で見出し検索し、1位限定で70年前から順に振り返ってみたいと思います。

 まずは1951年。神奈川県版の1位は「桜木町駅事件」。4月24日に国鉄(現在のJR)桜木町駅で、架線がパンタグラフに絡んで火災が発生、車両2両に乗っていた計106人が死亡した悲惨な事故でした。この事故をきっかけに列車の窓ガラスが大きく、可動式に変更されました。

 1960年代以降になると、五輪や高校野球などスポーツ選手の活躍が増えていきます。
 五輪では「岡野功選手オリンピック柔道で優勝」(1964年茨城)、「ソウル五輪で鈴木大地選手が金メダル」(1988年千葉)、高校野球では「習志野高全国高校野球大会初優勝」(1967年千葉)、「大宮工・選抜高校野球に優勝」(1968年埼玉)、「取手二、夏の甲子園でPL下して初優勝、国体でも優勝」(1984年茨城)など盛りだくさんです。

 スポーツ以外にも「鹿島線開通」(1970年茨城)、「新東京国際空港(成田空港)開港」(1978年千葉)、「新幹線大宮駅開業」(1982年埼玉)、「埼京線開業」(1985年埼玉)といった交通関連や、「稲荷山古墳出土の鉄剣から古代文字」(1978年埼玉)、「神野寺トラ騒動」(1979年千葉)、「科学万博つくば85開催」(1985年茨城)、「つくば市誕生」(1987年茨城)など、懐かしい項目も並びます。

 1年の終わりに、地域版10大ニュースをじっくり読み返して、「身近な戦後史」をたどってみてはいかがでしょうか。(は)