24年前の夏、凡人が軍人、変人とともに一躍、流行語になりました。自民党総裁選の3候補を評した「凡人、軍人、変人」。凡人は小渕恵三氏(故人)、軍人は梶山静六氏(同)、変人は小泉純一郎氏を指し、各氏の人柄や経歴から田中真紀子衆院議員(当時)が命名しました。凡人や変人呼ばわりされたことに対し、3氏は、その心中はともかく、それぞれの呼び名を踏まえてアピールしました(1998年7月24日東京朝刊「自民総裁選立会演説会」)。
「『平々凡々』と言われるが、私は決断すべきところでは、決断する男だ」(小渕氏)
「途中で倒れるかも知れないが、私のしかばねを乗り越えて日本の将来を築いてほしい」(梶山氏)
「私は『変人』と言われるが、変革する人だ」(小泉氏)
投票結果は凡人の勝利でした。名付け親である田中氏は、「あのグループ(旧小渕派)は選挙になると非凡なものをもっておられるんですよ」とコメントしました(1998年7月25日東京朝刊[ドキュメント・ポスト橋本])。(む)