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「三島由紀夫没後50年」

 三島由紀夫が東京・市ヶ谷の陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決してから今月でちょうど50年になるのを受け、ヨミダス歴史館で「三島事件の半世紀」を振り返ってみました。
 1968年、三島は「楯の会」という民兵組織を結成しました。69年11月4日朝刊には「三島隊長に『カシラ右ッ』 『楯の会』かっこよく観閲式」と、結成1周年の様子が取り上げられていますが、軍服のデザインを描写したり、「カッコいいわ」という女優の談話を載せたりして、少々「話題もの」風な扱いです。ところがその2年後、三島は「楯の会」の会員4人とともに市ヶ谷駐屯地に乱入したのです。事件直後には作家の丹羽文雄が「三島の演技であり、アクセサリーと思っていたが、それが本質であったわけだ」と語っています(「文壇に大ショック 『行動』には批判が多い/三島事件」=1970年11月26日朝刊)。
 当時、現場にかけつけ「いまは、なにもいいたくない。ただ若い命をかけた行動としては、あまりにも、実りないことだった」と語った石原慎太郎(「かけつけた石原氏ぼう然/三島事件」=1970年11月25日夕刊)は、40年後にもインタビューに答え〈結局、あの人は全部バーチャル、虚構だったね。最後の自殺劇だって、政治行動じゃないしバーチャルだよ。(中略)それでも、やっぱり僕にとっては、三島さんは懐かしい〉(『中央公論特別編集 三島由紀夫と戦後』=2010年11月9日朝刊「いま迫る三島由紀夫の本質 自決40年 関連本・舞台など続々」の記事で紹介)と話しています。
 今年もすでに、三島と東大全共闘との討論会をテーマにしたドキュメンタリー映画が公開されたり、「三島由紀夫 石原慎太郎 全対話」(中公文庫)などの関連書籍が出版されたりしています。節目の年に三島由紀夫とその文学はどのように総括されるのでしょうか。(は)

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