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「緊急事態の緊急性」

 「緊急事態と言われても驚かない」どころか「緊急事態にすっかり慣れた」という声すら聞かれる昨今。新型コロナ対策の切り札と言われた緊急事態宣言も、発令と解除の繰り返しで気の緩みが指摘されています。一日も早くコロナ禍が終息し、「緊急事態」が本来の重みを取り戻すよう祈るばかりです。
 読売新聞の記事データベース・ヨミダス歴史館で平成・令和を指定し、「緊急事態」で全文検索すると、30年余りで約2万件ヒットします。これを「緊急事態 AND コロナ」で絞り込んでも約1万2000件残ります。コロナ禍の勃発から1年半。テレビ報道も含めて言葉ばかりが連呼され、肝心の緊急性が薄れ気味なのも仕方ないかもしれません。
 明治・大正・昭和を「不要不急」でキーワード検索してみます。戦争中の1939年6月27日第2夕刊「フランス製贅沢(ぜいたく)品 日本から総退場」の贅沢品とは香水やブドウ酒。ぜいたくは敵だ、というわけです。1942年10月10日朝刊「陸運非常体制 八田鉄相放送 不急不要の旅行慎め」では、当時の鉄道大臣が「今後は一層窮屈になることと思うが、戦争を勝ちぬくためにはやむを得ぬ」と国民に協力を求めました。「戦争」をコロナに置き換えれば、現在の大臣や知事の訴えと同じですね。(む)
 

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