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「冬季五輪」

 北京大会で24回目となる冬季五輪。雪と氷を舞台に活躍する選手たちは輝かしい存在です。開催都市が飛躍的に発展することもあります。一方、期待通りにはことが進まない場合もあります。読売新聞データベース「ヨミダス歴史館」で、冬季五輪の光と影を探ってみました。
 1972年札幌大会と1998年長野大会。日本開催の冬季五輪はこれまで2回。その間26年、時代は大きく変わっていました。1997年2月12日東京朝刊の連載[五輪新時代]第4回が、両大会を包む“温度差”を考察しました。
 「アジア初の冬季五輪は、日本を興奮に包んだ」。日の丸飛行隊の表彰台独占に沸いた札幌大会は、スポーツイベントの域を大きく超えていました。五輪関連総投資額2200億円のうち2000億円が街づくりに費やされ、当時の札幌市長によると「街づくりが15年進んだ」。ゴムタイヤの地下鉄、全国初の地域暖房が実現。まさしく巨大な開発プロジェクトでもあったわけです。
 しかし、長野大会では様相が変わっていたようです。長野五輪組織委員会広報部長は、開会1年前のこの記事で、「正直言って、盛り上がりはこれから」と話しましたが、もはや日本国内での大イベントは珍しくなく、同じ県内ですら会場から離れた地方では関心が低いといい、五輪ムード醸成に苦心していた様子がうかがわれます。街づくりについても「何年も前倒しで進むという状態ではない。札幌とは非常に条件が違う」と長野市の関係者が、時代の変化を述懐しました。
 2度目の冬季五輪招致を目指す札幌市。1度目との“落差”にどう立ち向かうのか。道のりは険しくとも成功を祈るばかりです。(む)

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