「暑いだけじゃない温暖化」
夏は暑いのが当たり前。とはいえ、急激な地球温暖化のせいか、近年の猛暑は強烈です。暑がりにつらいのはもちろんですが、「寒いより暑いのが好き」とか「エアコンがあるから平気」と高をくくっている人もご用心を。温暖化の影響は環境問題にとどまらず、もっと複雑で幅広いようです。ヨミダス歴史館も「地球温暖化」で横断検索すると2万件以上ヒットします。
2007年4月19日読売新聞朝刊「『気候変動と紛争』安保理初討論」は、温暖化などの気候変動が紛争を誘発する恐れについて国連安全保障理事会が開いた初の公開討論。環境問題の枠を超え、安全保障の観点から問題提起されました。議長国の英国は紛争の要因として、水や農水産物不足、資源の奪い合い、人口の大量移動などを挙げ、日本を含む55か国が意見表明。途上国から先進国に対応を求める声が相次ぎましたが、深刻な問題との認識で一致するにとどまりました。
平和な日本で「紛争」に現実味を感じない人も、自然災害となると人ごとではないはず。2018年6月1日夕刊「洪水リスク 世紀末4倍 温暖化で雨量増」は国土交通省、2019年1月31日夕刊「温暖化進行→暴風雨6割増 今世紀末」は米航空宇宙局(NASA)の試算。堤防やダムのかさ上げなど対策を強化しないと、大きな被害が出ると危ぶまれています。「今世紀末」の試算とはいえ、豪雨や台風が激甚化する中、“先の話”で片付けられない問題です。(む)