「10大ニュースで振り返る」
この4月より、ヨミダスの個人向けサービス「ヨミダスパーソナル」が前日までの過去10年間(読売新聞読者会員の方は20年間)検索し放題の定額制サービスとなりました。
それにちなみ、この10年の世相や移り変わりを、毎年読売新聞が読者投票で決める「10大ニュース」で振り返りながら、10年分の記事検索でどのような出来事が調べられるのか、ご紹介したいと思います。
まず、この10年の「日本10大ニュース」トップとなった出来事を書き出してみます。
2014年 御嶽山噴火で死者57人、行方不明者6人
2015年 ノーベル賞に大村、梶田両氏
2016年 熊本地震、死者50人
2017年 14歳棋士、藤井四段が29連勝の新記録
2018年 平昌五輪で日本は冬季最多13メダル。フィギュア・ 羽生結弦は連覇
2019年 天皇陛下が即位。「令和」に改元
2020年 新型コロナ感染拡大、緊急事態宣言発令
2021年 大谷翔平、メジャーMVPに
2022年 安倍元首相が撃たれ死亡、9月に国葬
2023年 WBC、日本が14年ぶり優勝
このほか、「10大ニュース」で検索すると、日本・海外それぞれの各年のトップ10を詳しく解説し、30位までのランキングを掲載している記事を読むことができます。年ごとに全体の流れを俯瞰するのに便利です。
時代の大きな移り変わりを実感する出来事としては、改元がありました。
2019年に憲政史上初めての退位に伴う代替わりで天皇陛下が即位され、元号は「平成」から「令和」と改められました。新元号は「万葉集」から引用され、日本の国書からの出典は初めてのことでした。
身近な生活に直結するところでは、消費税率の引き上げ。5%から8%に引き上げられたのがちょうど10年前の2014年。さらに10%となったのは2019年でした。いずれも各年の2位、4位にランクインしています。
「マイナンバー制度」がスタートしたのは2015年で、まだ10年経っていないのが少し意外でしょうか。
文化・エンタメに目を移すと、2014年には群馬県の「富岡製糸場」が世界文化遺産に登録されたことが9位に。社会現象となった「ポケモンGO」の配信が日本で開始されたのは2016年でした。
ほっこりする話題では、2017年に「上野動物園でパンダ誕生」がランクイン。「シャンシャン」と名付けられ人気者となったメスの子パンダはすくすくと成長し、昨年中国へと旅立ちましたね。
2020年のトップとなった新型コロナ感染症の拡大は、世界中に深刻な混乱をもたらしました。日本政府は緊急事態宣言を発令し、外出自粛や一斉休校の要請で街中から人の姿が消え、テレワークやソーシャル・ディスタンスなどの「新しい生活様式」が求められました。
東京五輪は延期となり、この年史上初めて全国高校野球大会が春夏同時に中止となりました。
そして、まだ新型コロナの影響が止まない2022年、安倍元首相が演説中に銃撃され死亡した事件は、日本社会に大きな衝撃を与えました。
そのような中、「10大ニュース」に明るさを届けてくれたのはスポーツの話題でした。
昨年のトップとなった野球日本代表「侍ジャパン」のWBC世界一。米大リーグ大谷翔平選手と、チームメートだったトラウト選手の対決で劇的に幕を閉じました。しばらくの間日本中が歓喜の余韻にひたっているかのようでしたね。
その大谷選手が2021年、大リーグで投手として9勝、打者として46本塁打を記録、満票でMVP選出された話題も同年のトップを飾りました。毎朝目覚めると大谷選手の本塁打の速報がスマホに届いているのを楽しみにしていた方も多かったのではないでしょうか。さかのぼると、大谷選手がメジャー新人王を獲得したのが2018年(同年9位)。いまや押しも押されもせぬスター選手となり、昨年は本塁打王(同年2位)と2度目の満票MVPを獲得、メジャー史上最高額の契約でドジャースに移籍しました。
他にも、2014年のソチ五輪と2018年の平昌五輪ではフィギュアスケート羽生結弦選手が五輪連覇を達成。テニスの大坂なおみ選手は2018年に日本人で四大大会初となる全米オープン優勝、ゴルフでは2019年に渋野日向子選手が全英で、2021年に松山英樹選手がマスターズで優勝を果たしました。
自国開催で初の8強入りを果たしたラグビーW杯(2019年)や、強豪ドイツ、スペインを破って16強入りしたサッカーW杯(2022年)など、日本の選手たちの目覚ましい活躍が各年の「10大ニュース」を彩っています。
近年では毎年のように「10大ニュース」にランクインする将棋の藤井聡太竜王。29連勝の新記録を達成してトップとなった2017年当時、14歳で四段だった藤井竜王も、数々の最年少記録を塗り替え、昨年21歳2か月で史上初の八冠となりました。時の流れを感じますね。
ノーベル賞の話題も数多くランクインしています。
2014年には青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇、天野浩、中村修二の3氏が物理学賞を受賞(同年3位)。翌年には大村智氏が生理学・医学賞、梶田隆章氏が物理学賞をそれぞれ受賞(同年1位)。 2016年には大隅良典氏が生理学・医学賞を受賞(同年6位)。さらに2018年には本庶佑氏が生理学・医学賞(同年7位)、2019年に吉野彰氏が化学賞(同年6位)、2021年には真鍋淑郎氏が物理学賞を受賞(同年11位)。
日本出身研究者の活躍がますます世界に認められています。
時の流れは10年で様々な変化をもたらします。「もう10年も経っているのか」「まだ10年も経っていないのか」など、意外な印象を受ける話題もあったのではないでしょうか。
時流のスピードが増しているように感じられる昨今、ふと立ち止まって新聞紙面の中の、ちょっと昔を思い出してみてはいかがでしょうか。(真)