堂場 瞬一さん
警察小説やスポーツ小説で人気の作家・堂場瞬一さんも、ヨミダス歴史館を愛用しています。その魅力について語っていただきました。
使うたびに新しい発見がある
主に現代を舞台にした小説を書いていますが、時には過去の出来事を題材にすることもあります。
2011年に刊行した『八月からの手紙』(講談社)は、戦前〜戦後にかけての野球界を舞台にした作品ですが、事前の調査で「ヨミダス歴史館」が大活躍しました。
ヒット率抜群 キーワード
スポーツ紙や専門誌はアーカイブを探すのが難しく、一般紙でも、縮刷版をひっくり返すのは大変です。その点、歴史館なら、思いついたキーワードで、当時の言葉で書かれた記事にもすぐにたどり着けるし、保存も簡単なので、大いに役立ちました。「キーワード+期間」の検索で、1946年秋頃のプロ野球の試合や、戦前の大リーグの出来事なども確実にヒット。虚構の世界にリアルな出来事を組み込むことができました。
記事特定 「赤ピン」 が威力
問題は、特に戦前や終戦直後の新聞が、今よりずっと読みにくいことでした。字が小さい上に行間も狭く、レイアウトもごちゃごちゃしているので、検索の結果出てきた紙面を見ても、当該記事を見つけ出すのはかなり面倒です。しかし、検索した記事を示す「赤ピン」があるので、だいぶストレスが減りました。創刊当初などはまともな見出しさえないので、これがないと記事を特定するのが大変です。
個人的に気に入っているのは、「マイ記事」保存機能。自分でフォルダを作って記事を保存できるのですが、気になった記事をスクラップ感覚で放り込んでおいて、後から時々読み返しています。少し前の記事を読み返すことで、思わぬインスピレーションが得られることもあるのです。
「人名録」 かなり優秀
さらに、現代人名録(これはかなり優秀なデータベースです)の検索機能、英字新聞と読売新聞の関連記事をつなぐ「英文⇔邦文リンク」など、“小技”も充実しており、使う度に新しい発見がありますね。今後は、様々な機能を完璧に使い倒していきたいと思います。
(2012年4月10日)
どうば・しゅんいち 作家
1963年、茨城県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒
警察小説の「警視庁失踪課・高城賢吾」シリーズ(中公文庫)、「アナザーフェイス」シリーズ(文春文庫)、「警視庁追跡捜査係」シリーズ(ハルキ文庫)、スポーツ小説の「八月からの手紙」(講談社)、「ヒート」(実業之日本社)など著書多数。
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