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ヨミダス

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インタビュー

ロバート キャンベルさん

創刊から現在まで150年分の記事を収載した読売新聞記事データベース「ヨミダス」が、2024年4月1日にリニューアルしました。前身の「ヨミダス歴史館」以来の愛用者である国文学者のロバート・キャンベルさんに、ヨミダスの魅力を聞きました。

キャンベルさんは「読売新聞の過去記事は、話し言葉の宝庫」と指摘します。

「明治から令和 話し言葉の変遷が分かる」


ロバート・キャンベルさん

読売新聞は1874年11月、誰もが理解できる「俗談平話」をモットーに創刊しました。総振り仮名、口語体で読みやすく、小説をはじめとした娯楽要素も取り入れた紙面は「小新聞」と呼ばれ、漢語とカタカナを多用して盛んに天下国家を論じる「大新聞」とは一線を画す存在として評判になりました。

日本の「言語文化」を研究するキャンベルさんは、ヨミダスに収載された記事から、明治から現代に至る話し言葉の移り変わりがよく分かると言います。

「現代の日常で使われる日本語は、100年前とは変わっています。例えば『全然』。元々『全然いい』という使われ方だったのが、途中で『全然だめ』の意になり、今は再び『全然いい』と戻っています。もっと微妙な変化もあります。小説が掲載された当時の新聞で読むことで、明治の文豪たちが見ていた言葉の地平を体験し、再解釈することが可能になります」

読売のDNA


個人の体験や言葉を大切にする紙面づくりを、キャンベルさんは「読売新聞の DNA」と評価します。

昨年、1923年9月の関東大震災直後に発行された号外が見つかり、ヨミダスに収載されました。

「江戸時代からたどると、関東大震災は復旧・復興という概念ができたターニングポイントでした。当時の号外には、事態の経緯とともに、(大火を逃れて)九死に一生を得た人の話や生命保険などの生活情報など、人々に寄り添う記事が載っています。東京・銀座を舞台とした文芸作品の研究を進めていますが、銀座の被災と復興ぶりなど、作品で描かれた銀座と、実際の銀座がどうだったかを突き合わせるには、ヨミダスは貴重な研究資材です」

キャンベルさんは最近、ウクライナの詩人オスタップ・スリヴィンスキーが著した「戦争語彙(ごい)集」の邦訳を手がけました。ロシアによる侵攻で戦火にさらされた人々の証言に基づいた、戦争の実相を伝える文学として、世界で高い評価を受けています。

「ヨミダスでウクライナでの戦争を検索すると、情勢を伝える一方で、戦火を逃れ来日した避難民の記事が、短期間のうちに数多く掲載されたことに気づきます。避難民がどのように来日して、研修を受け、就労して生活基盤を築き、いま何に困っているかなど、細かく伝えています。地面に近い視点で出来事をとらえていますね」

(2024年4月13日)

Profile プロフィル

ロバート キャンベル
早稲田大学特命教授

ニューヨーク市生まれ。早稲田大学特命教授。専門は近世・近代日本文学。主な編著に「戦争語彙集」(岩波書店)、「ロバート キャンベルの小説家神髄-現代作家6人との対話-」(NHK出版)、海外見聞集(岩波書店)、「Jブンガク-英語で出会い、日本語を味わう名作50-」(東京大学出版会)などがある。

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