ガンダムをもっと楽しむ
コロナ禍で家で過ごす時間が増え、テレビ放送やインターネット配信でさまざまな過去の作品に巡り合ってファンになった人もいるのではないでしょうか。
ヨミダスでは、いまでは「続編」や「再放送」として目に触れる作品が、「新作」だった頃の記事や作者のインタビューを検索して、楽しむこともできるんですよ。
例えば、「ガンダム」シリーズもそのひとつ。
1989年7月18日付朝刊「[わたしの記念日]昭和54年4月7日 『ガンダム』初放映」によると、この記事の10年前、1979年4月に始まった最初のテレビシリーズ「機動戦士ガンダム」は意外にも視聴率が振るわず、1年間52本の放送予定が42本で打ち切られたといいます。が、一部に熱狂的なファンがいたことに目をつけた玩具メーカ-がキャラクターの商品化に乗り出し、これが大ヒット。映画化の話も持ち上がり、現在に至るまで40年以上シリーズが続く人気アニメに成長したようです。
この放送開始当時のエピソードを裏付ける小さな記事も見つかりました。1980年2月3日付朝刊の「[放送塔]『機動戦士』再放送を」です。「放送塔」はテレビ欄にある、読者から番組の感想などが寄せられるコーナー。前述の記事によれば、低視聴率による打ち切りだったはずですが、1月26日に終了した「機動戦士ガンダム」について、「再放送を切に願う」などの反響が55通も寄せられたとあります。1980年10月5日付朝刊には、「[放送塔]予告なしに番組中止」と、テレビ岩手で最終回を待たずに番組が終了してしまったことに対する憤りの声が掲載されると、10日付朝刊で「[放送塔]“ガンダム”について」と、テレビ岩手編成部長が直々に「再放送を約束する」と回答しました。紙上にほとばしった視聴者の熱い思いが、テレビ局に通じた瞬間を目撃できますね。
ヨミダスでは読売新聞の全国版に加え、地域版の記事も読むことができます。2017年8月13~15日付の神奈川県版の連載「ふるさとにエール」に小田原育ちの富野さんが登場。テレビアニメ「ガンダム Gのレコンギスタ」について、「ただ、夢のような未来だけを描いているわけではなくて、エネルギーや宇宙で生活するうえでの問題など、実際には多くの問題がある。だけど、それは我々には考えることができない。だから、今の10歳代に考えてほしい。この作品がそのきっかけになればという思いで作りました」と明かしています。
作者が作品に託した思いを掘り起こすと、より深く、物語を味わえるかもしれませんね。(く)